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ルーツは「船舶」。 船乗りの休息を支える、タフでやさしい家具

このショップにあるASHIMONO・AJIMの家具は、すべて長崎生まれ。
その原点は、過酷な海をゆく船員たちがくつろぐための、「船舶用家具」にあります。
設計から製造、設置までを一貫して担う、専務取締役の川端昭登さんに、その独自の技術とものづくりへの想いを聞きました。

造船のまち・長崎にある自社工場(川端装飾)では、1965年の創業以来、船舶用家具をはじめ、店舗やホテルなど商空間で使われる家具、そして家庭用の家具を手掛けてきました。機械がほとんどない、手仕事の現場です。

・ 船舶用家具とは?

— そもそも、船舶用家具とはどのようなものですか?

川端: 船上で使われる家具全般のことをいいます。
なかでも、私たちが手がけているのは、タンカーなどの大型船にある「居住区」と呼ばれる、船員さんたちの生活空間で使う家具です。

長い航海の間、船員さんがわが家のように身を委ねられるイスやソファなど、脚のある家具(脚もの=ASHIMONO)を得意としています。

・ 船舶家具に求められるもの

— 陸上の家具と大きく違う点は?

川端: 「船は常に揺れている」ということです。
また、一度航海に出れば、次のメンテナンスはおよそ10年後。
荒波による揺れや衝撃、長期間の使用にも耐えうる、タフなつくりが絶対条件です。

家具で扱う木材の種類は多種多様で、その木の性質によって密度・硬さも変わってきます。

木材同士の接合部分は、寸法や用途も、物によってさまざま。いくら手間がかかっても、ミリよりも細かい単位での調整が可能な、「ほぞ組み」で仕上げています。

また、船内は床面がカーブしていたり、搬入口が狭かったりと、特殊な条件ばかり。
船は1隻ずつサイズもデザインも異なるため、すべての家具がオーダーメイドです。
寸分の狂いも許されない、職人の手作業が不可欠な世界です。

・ プロのクオリティをどこでも

— 船舶用と陸上用の家具(ASHIMONO・AJIM)で、つくりを変えているのですか?

川端: いえ、うちでは同じ職人が、同じ工場で作り上げます。
船に固定するかどうかの違いで、基本的には同じつくりなんです。

木工・塗装・張り、各部門の職人が技術を結集して、そのほとんどを手作業で作り上げます。
だからこそご家庭用も、お店やホテル用も、同じクオリティに仕上げることができています。

「長い航海の間びくともせず、心からくつろげるものを」
おうちでもお店でも、毎日みんなでどんどん使って、使い込んでほしい
そんな職人たちの思いから生まれたのが、ASHIMONO・AJIMブランドです。

・ 手仕事の家具を、長崎から

— デザインや商品名からも、そのルーツが伝わってきます。

川端: 船で培った手仕事の技を、長崎から全国へ。そして後世に伝えたい。
その思いを、海や船を感じられるデザインや、商品名にも込めました。

また、手仕事ならではのよさを肌で感じてもらえるよう、
フレームのなめらかなカーブや、触り心地には特にこだわっています。
毎日触れたくなるような、ほっとするデザインを大切にしたいですね。

数種類の道具を使って仕上げる、なめらかなカーブ。熟練の職人技です。

「船でも陸でも。いいものを長く気兼ねなく使ってほしい」
使う人の日常に、家具が自然と溶け込んで、ふとした瞬間に『ああ、いいな』と感じてもらえる。そんな存在になれることが、私たちの一番のよろこびです。

↓こちらのページでも、ASHIMONOの家具についてご紹介しています。

ASHIMONOについて

船舶用家具の製造を通して独自に磨かれた技術と美学が、すべてのASHIMONO製品に注ぎ込まれています。